2009 knitting and stitching show ENTRANCE

ニッティング & ステッチング ショー ロンドン

ロンドンのHUB駅、キングスクロス駅(東京で言うと新宿のような雰囲気)から電車で20分ほどの、WOOD GREENという、のどかな駅で降ります。そして少し歩きますが、駅前からは無料のシャトルバスが頻繁に出ているので、少しの間、秋色づいたロンドン郊外の風景と、可愛らしいレンガ作りの家々を眺めながらの到着。

ショーが行われる、アレキサンドラ パレス(Alexandra Palace)は宮殿のようでとっても素敵。外観の微妙な色使いが建物のフォルムを際立たせて、水色の街灯が更に建物を印象深くしていますね。歴史ある建物が普通にあり、展示会場として使用できるなんて最高ですね。

さっそく会場下の芝生では、何やら布や編み地を大きく並べている人が。
許可をとっているのかは分かりませんが、会場前から自由な感じで、段々と中に入る楽しみも倍増します。この辺の規制が厳しくないのもいい。。。きっと日本だと警備の人とかが出てきてうるさいのではないかな。。。
そして・・・扉の向こう、エントランスホールには、いつも楽しいニット活動で話題を呼んでいる、cast offの大作の編み包まれたボート!

ダイナミックさは圧巻です。。。
周りに置かれた小物も全部、編まれたもので、そしてなんと言っても、”編まれたつなぎ”を着た地元の漁師さんと人魚風のドレスを来てみんなで ”出航パーティ” を行った様子の写真展示などもあり、実際にそこまでやっているトコロがとっても愛おしく思えました。(写真:オレンジと黒のつなぎ:たぶんレジ袋を裂いたもの!)

このボートは、世代から世代へ伝承され”職人”と呼ばれる手仕事で作られる、木製のボートがこの為に作られており、ジャンルは違えど、編み物という”世代から世代へ教え伝わってきた手仕事”と共通する者同士の出会いがあり、そして、お互いに受け継いできた「伝統」と自分達(現代)での「革新」へのチャレンジ。きっとお互い、いろんな刺激があったんでしょうね~。伝統を守っていく中で、その潜在意識だけに囚われない自由な創造力とのバランス。年配の方達がこうやって邁進している姿はかなり勇気づけられました。

この、cast offのリーダー的存在、イングリッドさん(ingrid wagner)はパンキッシュでかっこよく、とっても気さくで明るい方でした。そして、きっとボートを製作した方も私より年配の方だと思いますが、きっとユーモア溢れた方なんじゃないでしょうか。いつまでも頭を柔らかく保ちたいものです!

確かcast offって、編み物用語で「目を止める」という意味だったと思うんですが、同時に、投じるとか、(脱ぎ)捨てる、という意味を持つんだそうです。この「A Coat for A Boat」プロジェクトには350人ものニッターさんの手が加わっているそうで、新聞の記事には、cast of hundreds と書かれていたのも面白かったです。

また、イングリッドさんは中のブースにも出展されていて、リサイクル布をジャンボ針でマフラーやラグを編む実演をされており、リサイクル布を裂いて巻き巻きしてあった玉がごろごろしていました。展示ボートに使われていた裂き布もリサイクルで、主に病院などの古シーツなどを利用しているそうです。

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